フランシスコ・ピサロ【1】
「ここが私に征服されるべき国か」 ピサロは、二百に満たぬ手勢を連れてその王国に乗り込んだ。王国には一千万を超える人々が平和を享受して暮らしている。この侵略は、誰の目にも無意味で無謀な試みであるように思えた。 |
フランシスコ・ピサロ【2】
「ひとの良い王だ、人望もある、これなら人質に値する」 王国の王は、珍しい異国人であるピサロとの会見の席を喜んで設けた。その席でピサロは、王を人質にとる。だまし討ちだが恥とは思わない。そんな思考は征服者にとっては必要がないからだ。 |
フランシスコ・ピサロ【3】
「未開の民がいかに束になろうと、我らが兵と知恵に勝てるものか」 王国の兵士たちは、王を助けようとピサロとそのわずかな手勢に猛然と襲い掛かった。だが、ピサロは戦いの達人。祖国から持ち込んだ先進的な兵器と、精緻な戦術を以てそれを迎え撃つ。 |
フランシスコ・ピサロ【4】
「悪名が残るだと?それは後世が決めることだ」 数万の王国の兵をほとんど無傷で打ち破り、ピサロは黄金色の平和に輝いていた王国を、屍の血で染め上げた。征服することに理由などない。征服すべきものがいるから征服するだけだ。それが征服者ピサロの生き方だった。 |