プランシー【1】
「地獄に行った時の話? ああ……死ぬかと思ったな。実際死んだのだが」 プランシーはとんでもない武勇伝を持つ百戦錬磨の女傭兵だ。というのも、なんと地獄に逝ったというのに生きて帰ってきたという。誰も彼も「そんな馬鹿な」と眉根を寄せる。信じるも信じないもお前次第だ。女傭兵は笑い飛ばした。 |
プランシー【2】
「あたしは死の戦士である悪魔ボルフライの一撃を食らい、魂と肉体を切り離されちまったのさ」 堂々と彼女は語り始めた。それは血が滴るような赤い夕刻、現れたのは死の戦士。プランシーはそれと切り結んだのだが、勝負は一瞬だった。彼女は死んだ。そして気付けば魂だけとなって、地獄にいた。 |
プランシー【3】
「地獄から抜け出そうとしたあたしが会ったのは死を司りし執政官だ。あたしは奴に勝負を挑んだ」 死んでたまるか。プランシーは地獄から脱出せんとした。そして出逢ったのは冥界の執政官。挑んだ勝負内容は腕相撲。戦いは七日七晩続きーー遂にプランシーが勝ったのだという。 |
プランシー【4】
「そして無事に勝利したあたしは、今、ここにいる。お前ら、命は大事にしろよ? それと、腕は鍛えておけよ!」 いいだろう、約束は約束だ。人間ながらに天晴れよ。冥界の執政官がそう言って何かの書類に判子を押した直後、彼女は現世で蘇ったという。信じるも信じないもお前次第だ。女傭兵は笑い飛ばした。 |