ヴァン・ヘルシング【1】
「――ねぇあなた。吸血鬼(ヴァンパイア)ってご存知かしら?」 美貌の大学教授が振り返った。眼鏡の奥、その瞳は凛とした聡明さを宿している。彼女の名はヴァン・ヘルシング。その手が持つ本には、ヴァンパイアについてのおとぎ話めいたレポートが記載されていた。 |
ヴァン・ヘルシング【2】
「彼らは強く、したたかで――完全に種族としては人間よりも優れているわ。彼らにとって、私達は餌に過ぎないのだから」 卓上に広げられる資料。ヴァンパイアについてのおとぎ話。だがそれらは真実であるとヴァン・ヘルシングは真面目な表情で語る。嘘のような本当の存在、それこそヴァンパイアなのだ、と。 |
ヴァン・ヘルシング【3】
「――であるからこそ、私は彼らを解き明かさねばならない! その為に協力して頂けるかしら。ミスター・ヴァンプ?」 ヴァン・ヘルシングの眼差しが変わった。視線を向けられた客人が不敵に笑む。その口唇の合間からは、鋭い犬歯が覗いていた。いつから気付いていたのかと問えば、最初からよと彼女は笑った。 |
ヴァン・ヘルシング
「私は未知を究明しなくてはならない。人々の平穏と、『不明の払拭』の為にも」 ヴァンパイアハンター。それがヴァン・ヘルシングの真の姿。彼女はヴァンパイアを狩るとともに、彼らについての研究を進めている。正義のためと彼女は語るが、知識欲もゼロではない。倒した吸血鬼を早速、解剖室へ運ぶのであった。 |