【万霊節】ヴァイヤー【1】
「悪魔について聞きたいことがあると? ほう! どのようなことでしょうか!」 悪魔学プロフェッサー、魔法使いヴァイヤー。彼女のラボは悪魔に関する資料でごった返している。この場所を訪れた者は知るだろう、ヴァイヤーの異名ーー『悪魔オタク』が真実であることを。 |
【万霊節】ヴァイヤー【2】
「さぁさぁさぁ、誰について知りたいのです? どの子についても、スリーサイズまで把握済みですよ」 鼻息荒く、ヴァイヤーはあらゆる書物を卓上に広げてゆく。その精度、事実性、情報量は素晴らしいが……通常手に入れられないような情報まで記されていることには、触れずにいた方がいいのだろうか。 |
【万霊節】ヴァイヤー【3】
「彼女たちの絵姿に興味はありますか? ふふ、実は私が描いたんですよ! 可愛いですよね、この子たち……」 ヴァイヤーが客人へ見せたのは、膨大な数の悪魔たちの絵姿。著名な悪魔はもちろんのこと、あまり世に知られていないような悪魔までもが網羅されているようだった。 |
【万霊節】ヴァイヤー【4】
「私はなぜ人の身に生まれてしまったのか…時折、考えます」 彼女は言う。悪魔に生まれ、悪魔とともに生きることができていれば、どれほど己の一生は有意義なものであっただろうか、と。しかし彼女も本当は気づいている。人の身に在るからこそ、異質な存在である悪魔を求め、知ろうとするのかもしれないと。 |