【三周年之正義】ルジェロ【1】
「今日は一段と心地良いね!」 ルジェロは西風に乗りながら、騎乗している愛馬に話しかけた。ヒッポグリフ。グリフォンと馬の間に生まれたこの魔獣がルジェロの相棒だ。相棒と二人、あてどもない旅をしている。 |
【三周年之正義】ルジェロ【2】
「あの火は! 町が襲われているよ!」 盗賊団に襲われている町を見つけたルジェロは、すぐさま剣を抜いた。悪を見て放っておけるルジェロではない。相棒もそんなルジェロのために、より強く翼を羽ばたかせた。 |
【三周年之正義】ルジェロ【3】
「この賊たちは、魔族から力を得ているのか……!?」 盗賊団の力はルジェロの予想を遥かに上回っていた。だが、ルジェロが臆することはない。弱き者たちを守るためなら危険など省みない。それがルジェロの正義だった。 |
【三周年之正義】ルジェロ【4】
「お礼? なら一晩の宿と、食べるものを下さい。できるなら、こいつの分も」 町を救ったルジェロは、英雄として祭り上げられた。どんな褒美も望みのままになろうという時なのに、ルジェロが要求したのはそれだけだった。貧しくとも、相棒と身軽に世界を旅したい、それが一番の望みなのだ。 |