オズリック【1】
「……。」 戦士が語るのに言葉は必要ない。オズリックが無口なのはそう信じているからだ。彼女と何かを通じあいたければ、それは戦いのなかでなければならない。そして彼女は一人の天才剣士と出会う。 |
オズリック【2】
「剣をとれ。」 オズリックはこれまで戦士以外の生き方を一切してこなかった。小さな頃から剣の使い方だけを教わって育ち戦いでしか人と関わろうとしなかった。これまで命の奪う戦いしかしていなかったオズリックだが目の前にいる天才剣士ボルックスの自分とは性質の違う剣技に自分自身を高める戦いがあるということに気づかされる。 |
オズリック【3】
「殺す気で来い。私もそうする。」 オズリックは気づいた。ボルックスと幾度となく剣を合わせる度に胸の高まりが強くなっていくことを。そして、これまで戦に身を投じてきた中で初めて抱く感情に焦っていた。それが愛情なのだということを理解した瞬間だった。 |
オズリック【4】
「ほ、本気で来いと、い……言っているだろうが!」 オズリックは珍しく同様してしまった。ボルックスと幾度となく剣を交わし伝わる感情が自分と同じであることが分かったからだ。しかし、ここで自分が手を抜けば彼は気づくだろう。命を奪い合う戦場で彼女は幸せだった。そして彼女は願う、彼が生きて英雄とならんことを…… |