ビーマ【1】
「怪力だなんて言わないでください。恥ずかしいです」 ビーマを見て、彼女が怪力の持ち主だと思う人間は少ないだろう。だが、彼女が巨大な牛を出荷のために抱えている姿を見れば、その考えも変わる。 |
ビーマ【2】
「私はもう戦いなんて嫌なんです」 ビーマが住む村は、酪農が盛んなのどかな村だ。かつては戦場で怪物と呼ばれた彼女も、この村では牛を運べる力強い働き者として生きていける。それが彼女の幸せだった。 |
ビーマ【3】
「南の方に黒煙……平原で戦闘があったみたいですね」 ビーマの住む村にも戦火は迫っていた。穏やかで優しい村人たちでは、凶悪な侵略者たちの略奪に対抗することなどできないだろう。だから、ビーマは再び武器を持つことにした。 |
ビーマ【4】
「私の姿を見ても、私を怖がらないでいてくれますか?」 棍棒を振り回すビーマは一騎当千の活躍で、数十人もの敵兵を撃退した。村人たちは彼女の戦闘に目を丸くしたが、決して彼女を怖がらなかった。誰もが彼女の持つ心の優しさを知っていたからだ。 |