壱与【1】
「私は太陽を受け継ぐもの」 先女王の意思を継ぐ壱与。彼女には先女王より引き継いだ神秘の力があった。それは太陽の炎を身に宿す力。巫女の証たるその力を妬む者は多い。 |
壱与【2】
「この国の混乱を修めた先女王様のように、私もこの国の平和と安定を築きます」 すべてを照らす太陽のように、先女王は国の隅々にまで目を配り、完璧な統治をした。まだ若い壱与にそれだけの力はないが、太陽を司る力だけは先女王よりも優れている。 |
壱与【3】
「私の命を狙う者たちがいるようですね……これも女王の宿命ですか」 力を持つ者は、妬まれ、疎まれる。壱与の命を狙ってたくさんの暗殺者を放ったのは、先女王の大臣たちだった。味方の少ない宮廷では、壱与の運命は決まったも同じだった。 |
壱与【4】
「太陽が常に穏やかで温かいなどと思っていたら、大間違いよ」 太陽は時として猛暑や干ばつの被害を起こす。太陽を司る者も同じだ。猛った太陽は誰にも止められない。 「あなたたちがそのつもりならば構いません。では、あなた方が刃向おうとした者がどれほど恐ろしい存在なのか教えてあげましょう」 |