ネクロマンサー ジゼル【1】
「これはただの骨よ。怖くはないわ」 ジゼルは手の中で小さな髑髏をもてあそぶ。黒い眼窩の中に、あるはずのない光が見えた気がして、依頼人は慌てて目をそらした。 |
ネクロマンサー ジゼル【2】
「相手を殺すのは難しい。でも苦しめるのはとても簡単よ」 ジゼルの手の動きに応じて、体に施された化粧が明滅する。その塗料の材料は、彼女以外に知るものはいない。 |
ネクロマンサー ジゼル【3】
「そんなに焦らないで。大きい力を使うには、それなりの準備がいるのよ」 ジゼルは、己にしかわからない文字で複雑な紋様を描く。やがて周囲の気温が下がり、大気が震え始めた。 |
ネクロマンサー ジゼル【4】
「私の言うことに従いなさい、さまよえる魂よ」 ジゼルの呼びかけに応じて、物言わぬ骸に不浄の生命が宿る。呪術師が命じると、ソレはのっそりと歩き始めた。 |