手品師 リルカ【1】
「種も仕掛けもございません。何が出るかはお楽しみ!」 周囲に集まった観客に、リルカは可愛い声で挨拶した。その声には、人を引きつける不思議な魅力がある。 |
手品師 リルカ【2】
「さあ、次は大きな剣を取り出しましょう!」 リルカは帽子の中から、自分の背丈ほどもある剣を取り出す。その長さは、明らかに帽子のそれを超えている。 |
手品師 リルカ【3】
「ほら、おとなしくして。ばれたら追い出されるんだから」 安宿のベッドの上で、リルカはカバンの中の鳩と猫に声をかけた。二匹は彼女のショーに欠かせない、大事な相棒だ。 |
手品師 リルカ【4】
「よし、今日も頑張るぞ!」 リルカのショーは、次第に有名になっていった。今では、貴族や王族なども、彼女目当てにやってくるほど。彼女が成功を掴む日も近いだろう。 |