那須与一【1】
「誰かあの的を射抜く者はおらぬのか?」 平家によって挑発的に差し出された扇の的を射抜き、味方の士気を上げる。この難業に一人の男が進み出た。 |
那須与一【2】
「この矢の腕前。とくとご覧あれ」 幼いころから神業的な弓矢の腕前を誇り、その資質を源義経に認められた男はそう言って静かに弓を構える。 |
那須与一【3】
見事的を射抜けば味方の士気は大いに上がり、もし外せば逆に味方の士気は大いに下がる。一世一代の見せ場を前に与一は全神経を弓矢に集中させる。 |
那須与一【4】
「南無八幡大菩薩・・・願わくば、あの扇の真ん中を射させたまえ」 そう念じられた与一の矢は見事に扇の的を射抜いた。この瞬間、源氏の勝利は決定づけられた。 |