陰陽師 サダミツ【1】
「魔を折伏する。それが我々陰陽師の務めです」 サダミツと名乗る陰陽師は、優雅に微笑んだ。辺りには、香の匂いが立ちこめている。 |
陰陽師 サダミツ【2】
「出てきなさい、人ならぬ悪霊たちよ!」 サダミツが叫ぶと、それに応えるように笑い声が響いた。それは、聞いているだけで魂を削られるような不気味な声だった。 |
陰陽師 サダミツ【3】
「臨・兵・闘・者・皆・陣・敗・在・前!」 サダミツが印を結ぶと、うめき声を残して妖怪たちは姿を消した。サダミツは大きく息を吐き出すと、ゆっくりと印を解いた。 |
陰陽師 サダミツ【4】
「多少、疲れました」 折伏を終えたサダミツの顔には、疲労の色が濃い。足元も少しふらついている。それだけ、精神力を消費すると言うことだろう。 |