【刀神】正宗【1】
「私、刀工の正宗と申します」 人として生まれし至高の芸術家として、神ですら敬う伝説の刀工が正宗である。魔性の美貌と卓越した鍛刀の腕を持つ彼女は、言わばこの世界の奇跡である。 |
【刀神】正宗【2】
「刃紋の美しさ…ご覧になります? 見惚れて魂を奪われませんように」 正宗の刀は最も美しく最も強い。その手で生み出す刀の美しさは生きとし生ける全てのものを虜にし、その刃で切れぬものは世に存在しないと言われる。 |
【刀神】正宗【3】
「刀に私の銘を入れるなど恐れ多いですわ。無銘でなお輝いてこそ、名刀かと…」 静謐なる美しさと慎ましさはその刀のみならず彼女自身にも宿っている。自らの刀にさらなる粋を求め続けるその姿勢こそ、刀神と崇められる所以であろう。 |
【刀神】正宗【4】
「私が生き飽きるのが先か、至高の刀の完成が先か…楽しみですわね」 世界各地に存在する正宗による刀。最も古きは千年の昔より記録に残るという。だが、彼女が齢幾年を数えるのか、誰も知らない。 |