【大盗】石川五右衛門【1】
「へへーん! これぐらい朝飯前だっていうの!」 千両箱を小脇に抱えた少女が、立派そうなお屋敷から元気よく飛び出してくる。そう、彼女の生業は巷で噂の大泥棒。闇がよく似合う。 |
【大盗】石川五右衛門【2】
「お宝、お宝ー♪ 今日はいつも以上に大量だ~!」 千両箱からこぼれ落ちる小判には目もくれず、少女の笑いは止まらない。連日連夜の大活躍。人々が騒ぎ立つことが、彼女には心地よい。 |
【大盗】石川五右衛門【3】
「天下の大泥棒に、盗めないものなんてないんだから!」 失敗知らずの大泥棒の少女は、風を切るように屋根伝いを軽快に駆け抜ける。彼女が盗み出したものは、もうどれほどになるだろう。 |
【大盗】石川五右衛門【4】
「はぁ~♪ たまには温泉で身体を休めるのもいいものね~」 山奥に湧き出た天然の温泉につかりながら、少女は日々の疲れを癒していた。天下の大泥棒にだって休息は必要。それが明日の活力だから。 |