サンジェルマン伯爵【1】
「だいぶ来てしまったが、どうやらここらあたりらしいな……」 美形の青年は、時空を超えてこの戦乱の地にやってきた。彼の目的は、ある薬を探すこと。そう、不老不死の薬を……。 |
サンジェルマン伯爵【2】
「いつでも出でよ、時空を彷徨う者たちよ。この私がお前たちの主となるべき者だ!」 杖を手にした片目の青年は、行き着いた最果ての地で声を張り上げる。だが、彼にこたえるものはない。目的は、まだ達せられず。 |
サンジェルマン伯爵【3】
「この猛り狂う気……。必ずこの先にいる……ああ、必ず」 身を震わすほどの気が、美形の青年を襲う。この懐かしいほどの感覚……そう、間違いない。彼が追う者、それは己自身……。 |
サンジェルマン伯爵【4】
「どこへ逃げても隠れても無駄だ。地の果てまででも、私は貴様を追っていく!」 彼は慣れない身体で、ある男を追っていた。それは宿敵であり、狂おしいほどに愛おしい相手でもある……。 |