ブリューナク【1】
「この仕事はただの辺境警備ではない。覚悟をしておけ」 大陸北部の降雪地域を守る辺境警備隊。その隊長がブリューナクである。彼は確かに感じていた。この北の大地に迫る邪悪な存在を。 |
ブリューナク【2】
「今月に入ってから、既に二人の警備兵が行方不明になっている。これは異常事態だ」 危機はすぐ近くに迫っていた。ブリューナクは黒い愛馬に乗り込むと、雪原へと駆けだした。彼の勘が正しければ、そこに失踪事件の秘密があるはずだった。 |
ブリューナク【3】
「やはり、奴か……」 ブリューナクが雪原の奥で見つけたのは、巨大な魔法陣だった。そして、その魔法陣の近くには行方不明となっていた警備兵の亡骸が転がっていた。 「このような横暴、決して許さんぞ」 |
ブリューナク【4】
「敵がその気ならば、こちらも望むところだ」 雪原にあった魔法陣は、冥府と現世を結ぶトンネルの役割を果たすものだった。警備兵の命を奪ったのは冥府の王だろう。生者の魂を求めて、現世に手を出したのだ。仲間の仇を討つべく、ブリューナクは冥府へと向かう。 |