モルオルト【1】
「私は騎士だ。騎士の栄誉を決めるのに最適なのは、やはり御前試合だろう」 騎士は名誉を貴ぶ生き物だ。そんな騎士の中でもモルオルトは特に名誉を重んじる。彼女にとって戦いとは名誉を得るための場であり、御前試合はその最高峰なのである。 |
モルオルト【2】
「己の剣を何のためにふるうのか……騎士ならばその答えは明白であろう」 モルオルトはこれまで多くの戦いに勝利してきた。それはすべて名誉と名声を得るためだ。彼女にとって、それ以外に必要なものなど何もなかった。 |
モルオルト【3】
「この惨状は……これが戦いだとでもいうのか!?」 すべての戦いが、正々堂々行われる誉れ高いものではない。むしろ、戦争で行われる戦いは、その対極に位置する。奇襲によって無残に滅ぼされた街を目にした彼女は、騎士の本当の使命にようやく気付いた。 |
モルオルト【4】
「誰かに認められたくて剣を振るうのではない。誰かを守るために剣を振るわねばならない」 たとえそれが誰の目に留まらなかったとしても、名声とは程遠い小さな戦いだったとしても、彼女は精一杯戦った。どれほど大きな名誉を得るよりも、小さな命を一つでも救ったほうがよほど価値があると気づいたからだ。 |