ルーカン【1】
「人の子らよ。王の愛を信じ、王の英知を讃えよ」 ルーカンの歌が空に響き渡ると、人々はその美しさに涙を流し、頭を垂れて王への信仰を強くした。 |
ルーカン【2】
「王に背くなどと大それた事を、よくも考えつくものだ」 王への反逆を企てた兵士達を見て、ルーカンは眉をひそめた。彼らの見張りもルーカンの役目である。 |
ルーカン【3】
「王への不敬は、許されざるべき重罪である」 ルーカンの前で王を愚弄した者は、即座に心臓を貫かれた後、その身を業火に焼かれて、存在そのものが焼失してしまった。 |
ルーカン【4】
「御自らお言葉を頂けるとは、身も震える思いでございます」 王に謁見するルーカンは、全身を喜色に染めてかすれた声を上げる。普段の厳格さは、まったく感じられない。 |