柳生宗厳【1】
「この刀の重み、どこかで感じたことがあるような……」 まだ幼き容姿の少女は、その重さを確かめるように刀を手にする。初めて手にする刀だが、でもそうではないような不思議な感覚。 |
柳生宗厳【2】
「時は流れても、変わらぬ輝きを放つ愛しの名刀……」 そうだ、思い出した。この刀は、古の昔に自らの命を救ってくれたもの。今とは別の肉体を有していたとき……それは前世の記憶。 |
柳生宗厳【3】
「手にした感触もいいし、早く斬れ味を確かめてみたい……」 まるで懐かしき友に再開したかのような想いで彼女は刀を振り込む。重さといい、空気を斬る音といい、まったく変わっていない。 |
柳生宗厳【4】
「誇り高き武士の力を今こそ見せてくれよう!」 舞台は整った。かつて歴戦を共にした名刀を小脇に差し、少女は戦場へと向かっていた。戦士として果たせなかった想いを、今こそこの手で。 |