アパラージタ【1】
「私は自分自身が誰なのか分からない……私は何者なのだ?」 砂漠の都市アルブラタ。その都市には腕利きの女剣士がいる。彼女の名はアパラージタ。しかし、彼女の名前以外の情報を知るものは誰一人いない。彼女自身でさえも知らない。 |
アパラージタ【2】
「私は気付いたらこの街にいた。それまでの記憶が何もない。私はどこから来たのだろう……」 アパラージタが持っていたのは剣だけだった。そして、憶えていたのは自分の名前と、剣の使い方だけだ。彼女は唯一の持ち物と数少ない記憶を生かして、傭兵として働き始めた。そして、すぐに頭角を現した。 |
アパラージタ【3】
「記憶を失う前の私は、多くの人間を斬っていたのだろうか。私の体が覚えていた剣術は、あまりに荒々しい」 彼女に転機が訪れたのは、旅の商人が彼女の剣を見た時だった。旅の商人は、その剣を砂漠の神殿で見たことがあるという。それを訊いたアパラージタはすぐに神殿に向かった。 |
アパラージタ【4】
「ここは……そうか、私はそうだったのか」 荘厳の神殿の中に、彼女は自分によく似た姿の石造を見つけた。そして、その石造の手には彼女の剣が握られていた。その石造は、この地を守る戦いの女神。砂漠に邪悪が迫るときに顕現し、人々を守るという。己の使命を知った彼女は神殿を出た。砂漠を覆う影との戦いが始まるのだ。 |