エウリディケ【1】
「歌はいつの世も美しい。だけど、悲しい歌も世の中にはあるのです」 美しい歌姫エウリディケ。彼女には竪琴の名手である恋人がいた。しかし、二人が結ばれることは決してない。なぜならば、彼はもう……。 |
エウリディケ【2】
「彼は愚か者です……しかし、私はもっと愚か者です」 猛毒を持つ蛇に噛まれ、エウリディケはこの世を去った。だが、その死を受け入れられない恋人は、エウリディケを取り戻すために、冥界にまでやってきた。 |
エウリディケ【3】
「彼の気持ちは嬉しかった。ですが、世界の条理を変えることはできないです」 冥界から逃げ出すエウリディケと恋人。しかし、冥界から逃げるための船は一人乗り。二人が乗れば沈んでしまう。恋人は、エウリディケを逃がした。 |
エウリディケ【4】
「人間に世界の条理は曲げられない。それならば、私は神になる」 冥界から一人で脱出したエウリディケは悲しみに打ちひしがれた。しかし、彼女の心は決して折れてはいない。不可能を可能にするため、彼女は自らの限界を超える道を選んだ。悲しみの歌の最後は、どんな音色で締めくくられるのか。 |