オルトリンデ【1】
「私の杖は美しくも香しい……この意味が分かる?」 戦乙女オルトリンデは華麗に天空を舞う。これまで無数の魔物たちが、彼女の守る天空の領域に侵入し、彼女の杖の前に散った。この美しい空の楽園が邪悪に侵されたことは、ただの一度もない。 |
オルトリンデ【2】
「西の空がいつもより赤く見える……」 血に飢えた魔物たちの到来を予兆する紅の夕日。それを見たオルトリンデは相棒の杖を強く握る。 「穢れをしらないこの土地に魔物を入れるわけにはいかない。私がとめなくちゃ……!」 |
オルトリンデ【3】
「これほどまでの魔物の群れが来るなんて……この世界はどうなってしまったの!?」 それは夜と同時に訪れた。暗い夜空をさらに黒く染めるような魔物の群れが、オルトリンデが守る天空の楽園へと押し寄せた。いかに無敗の戦乙女といえど、これは絶望的な状況だった。 |
オルトリンデ【4】
「私の杖は美しくも香しい。魔力の花が開けば、あらゆる邪悪を討ち滅ぼすッ!」 美しく花開いたオルトリンデの杖は夜をも切り裂く。暁の明かりの中で、魔物の群れの姿は瞬く間に消えて行った。花弁が舞い、光の雨が降り注ぐ空中の楽園は、オルトリンデの手により守られた。 |