サラミス【1】
「野郎ども! 船を出すよ!」 サラミスが部下の海賊たちに命を下すと、甲板に野太い声の返事が響いた。 だが、どうにも気になる事がある。 甲板に集った部下たちの数が、多い気がするのだ。 |
サラミス【2】
「野郎ども! やけに数が多くないかい?」 だが、部下たちは言葉を濁した。怪しさを感じながらも、サラミスは男たちへ持ち場につくよう指示をする。 どうやら全ての乗組員がこの場に集まってしまっているらしい。 |
サラミス【3】
「野郎ども……どこを見ているんだい?」 サラミスはようやく、海賊たちの視線の先に気付いた。 動きやすさを重視し水着姿となった自分へ、男たちの視線が集まっているのだ。 |
サラミス【4】
「野郎ども! 突撃だよ!」 結局、サラミスはそのまま船を出した。水着姿に釘づけで、誰も甲板から動こうとしなかったのだ。 だが案ずることはない。この様子なら敵の海賊だって鼻の下を伸ばすにちがいない。不足した人手は奪えばいいのだ。 |