デュメイン【1】
「私は強くなりたい。先生のように」 剣闘士デュメイン。コロッセウムで彼女の試合が行われる日は、いつも会場は満員になるという。 |
デュメイン【2】
「コロッセウムで行われる戦いは所詮見世物。だけど、ここが私の生きる場所なんだ」 デュメインは戦争孤児だった。放っておけばのたれ死ぬだけだった彼女を拾ったのは闘技場の戦士だった。 |
デュメイン【3】
「先生は、いつか私にここを出ろと言っていた。……でも先生、決闘の世界しかしらない私でも外の世界でも生きていられるのかしら」 デュメインは彼女を拾った戦士に育てられた。デュメインは戦士を先生と呼び慕い、めきめきと強くなっていった。しかし、別れは突然訪れる。 |
デュメイン【4】
「あれだけ強かった先生も最後は対戦相手に負けた。私もいつか同じ最後を迎えるのでしょうね」 デュメインは丸く切り取られたコロッセウムの空を見上げる。石と熱気と狂気でつくられたこの牢獄から、彼女が出られる日は来るのだろうか。 |