デュランダル【1】
「私は貧乏な旅人なの。金目の物なんて持ってないわよ」 大陸中央の山岳地帯で、一人の女性が山賊に囲まれていた。女性の名前はデュランダル。彼女の言う通り、その荷物には金目のものは入っていない。たった一つ、美しく輝く剣を除いては。 |
デュランダル【2】
「この剣はあんたらにゃ扱えないし、売っても大した額にはならないよ」 山賊に臆することなくデュランダルは言う。だが、もちろんそんな言葉を納得する山賊たちではない。彼らはデュランダルから無理やり剣を奪い取ろうとした。その時、激しい閃光が山賊たちから視力を奪った。 |
デュランダル【3】
「今のは警告。次は容赦をしないよ」 デュランダルの剣が鞘から抜かれていた。光り輝くその刀身は、かなりの業物だとすぐに見て取れた。山賊たちはデュランダルの警告を無視し、次々と彼女に襲い掛かる。 「はぁ……ちゃんと警告はしたんだからね」 |
デュランダル【4】
「私は王国騎士団の聖騎士デュランダル。任務の邪魔はさせないよ」 それは一瞬の出来事だった。デュランダルは目にもとまらぬ速さで、山賊たちの間を駆け抜けると、山賊たちは次々と倒れた。自分が斬られたということにすら気づかぬままに。 「おっと、こんなところで時間を使ってる場合じゃなかった。早く王都に急がないと」 密命を帯びた彼女の旅はもう少し続く。 |