ブランジャン【1】
「今日からこちらでお世話になります。ブランジャンと申します」 貴族の邸宅にやってきたブランジャン。彼女の侍女としての実力は極めて高い。あらゆる身の回りの世話を完璧にこなす。だが、彼女にとって一番得意な仕事は別にある。 |
ブランジャン【2】
「家を守るのが私の仕事。家事をこなすことも、よからぬ輩から物理的に守るのも、仕事の範疇です」 かつて『コルサの悪魔』と呼ばれた女戦士がいた。あまりに多くの血を浴び過ぎたため、精神を病んで戦場から去ったとされる彼女こそ、ブランジャンその人である。 |
ブランジャン【3】
「申し訳ありません。どうやら、私の不始末のせいでこちらに危険が迫っているようです」 『コルサの悪魔』の敵は多い。親兄弟を殺され、彼女を恨んでいる者たちは数えきれない。そんな者たちの耳に、戦場から去った女戦士が侍女として働いているという情報が入るまで時間はかからなかった。 |
ブランジャン【4】
「私は修羅の道を歩んだ者。私を殺しにくるのならば文句は言わない。だが、この家の方々に迷惑をかけるな」 貴族の邸宅を囲む殺気立った人々。装備も人種もばらばらだが、ブランジャンに対する強い憎悪という点では共通していた。侍女としての務めを全うするため、ブランジャンは群衆に斬りかかる。 |