鬼姫カグラ【1】
「城は燃え、殿の首がはねられようと、私たちの国は滅びぬ」 大陸から東に離れた島も、大陸と同じように激しい戦乱に包まれていた。大名と呼ばれる地方領主同士の争いは、多くの人々を巻き込んでいた。鬼姫と呼ばれた少女もまた、その渦中にいる。 |
鬼姫カグラ【2】
「私は謀反を決して許さない。父上と殿の仇は、必ず私がとる」 忠義の臣下であったカグラの父は、謀反人の手によって討たれた。それにとどまらず、謀反人は殿にまで手をかけたのだった。生き延びたカグラは復讐を胸に誓っていた。 |
鬼姫カグラ【3】
「私は刀を持たぬ。だが、父上から家督と一緒に引き継いだこの大筒がある」 鬼姫とはカグラが小さなころにつけられたあだ名である。あまりにお転婆であったためつけられたものだったが、今やその名は体を表している。 |
鬼姫カグラ【4】
「覚悟せい!父上と殿の恨みをしかと受けよ!」 好機は突如訪れた。謀反人が燃えた城下視察にやってきたのだ。策を弄することを好まぬカグラは謀反人の前に飛び出した。やるべきことはただ一つ。真正面からの仇討である。 |