画像待ち一覧/テキスト34

Last-modified: 2018-03-27 (火) 20:08:28

アルミラージ【1】

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「聖なる地は、まだ遠いか」
男は聖地を探して旅をしていた。財産も、人生も、己が持っていたすべてを、男は信じた神へとささげた。友人からは笑われ、両親からは絶縁された。それでも、この道だけが自分の幸せに続いているのだと、男は信じていた。


アルミラージ【2】

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「お前は魔物か?それとも、人か?」
約束の地に向かう道の半ば、男は通りかかった森で不思議なものを見かけた。額に角の生えた少女が、森の木々に実った果物を採っている。もしも少女が邪悪なものならば、他の信者に危機を知らせなければならない。男は物影から、少女の動向を見張った。


アルミラージ【3】

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「君たちは、一体……?」
果物を採り終え、帰ろうとする少女を男は尾行した。木陰に隠れつつ折ったつもりだったが、気がつくと、少女と同じ角を持つ者たちに周りを取り囲まれていた。男は死をも覚悟し、神に祈りをささげたが、角を持つ少女たちは男を喜んで迎え、宴まで開いてくれた。男は幸せな夜を過ごした。


アルミラージ【4】

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「ここもまた聖地、か」
宴の翌朝。男が目を覚ますと、角の生えた少女たちは辺りから一人もいなくなっていた。季節ごとに各地へ移り住む民族なのだと宴の中で少女が話してくれたが、今日が移住の日だったらしい。聖地に着かずとも幸せになれる。それに気づいた男は、故郷に帰ることを決意したのだった。


ジズ【1】

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「天をも覆う我が翼、とくと見よ」
シズがそう言って翼を羽ばたかせると、周囲の景色は彼方へと吹き飛んだ。彼女に空を飛ばれては、星そのものを飛ばされかねない。神々はシズを囲み、その翼を褒め称え、シズが空を飛ぶ機会を失くそうと必死になっている。

「天をも覆う我が翼、とくと見よ」
ジズがそう言って翼を羽ばたかせると、周囲の景色は彼方へと吹き飛んだ。彼女に空を飛ばれては、星そのものを飛ばされかねない。神々はシズを囲み、その翼を褒め称え、ジズが空を飛ぶ機会を失くそうと必死になっている。

「天をも覆う我が翼、とくと見よ」
ジズがそう言って翼を羽ばたかせると、周囲の景色は彼方へと吹き飛んだ。彼女に空を飛ばれては、星そのものを飛ばされかねない。神々はジズを囲み、その翼を褒め称え、ジズが空を飛ぶ機会を失くそうと必死になっている。


ジズ【2】

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「我が翼は世界で最も美しいのだ、そちらの御仁も見えようか」
遠く離れた孤島に向けてジズは羽を大きく広げた。厄介なことに彼女は目も耳も良く、声も凄まじく大きいのだ。その声の衝撃で孤島に住む御仁は吹き飛ばされて海へ落ちてしまうが、翼の美しさにそこまで驚いたのかと勘違いするジズであった。


ジズ【3】

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「星よ、讃えよ!自負せよ!そなたが生みし我はいずれそなたを越えようぞ!」
ジズは母なる大地へ自分の成長の様を見せつけた。ジズが羽ばたくたびに海は荒れ、大地は嘆き蠢いたが……、しかし空は緩やかに。太陽は微動だにせずジズの背中を照らし続けた。まだまだ自分は小さいと思うジズであった。


ジズ【4】

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「さぁ今こそ、我が飛翔で世界を覆い尽くそう」
神々の賛辞に聞き飽きたのか、ジズは突然大きく羽ばたき始めた。美しい羽根が散ってしまうわ、羽根の艶が荒れてしまうわ、と神々が口を揃えて言うが、もはやジズを止めることはできない。今、世界は震えている……

「さぁ今こそ、我が飛翔で世界を覆い尽くそう」
神々の賛辞に聞き飽きたのか、ジズは突然大きく羽ばたき始めた。美しい羽根が散ってしまうわ、羽根の艶が荒れてしまうわ、と神々が口を揃えて言うが、もはやジズを止めることはできない。今、世界は震えている……


ア・ドライグ・ゴッホ【1】

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「この山はウチのもんや!でも、そうやっていじめるはるんも、そろそろ潮時やな」
幻想世界の山奥に2人の竜の化身が住んでいた。緋竜を宿す彼女の名はア·ドライグ·ゴッホ。山の支配者である彼女は、時流の変わり目に気が付きつつあった。

「この山はウチのもんや!でも、そうやって意地はるんも、そろそろ潮時やな」
幻想世界の山奥に2人の竜の化身が住んでいた。緋竜を宿す彼女の名はア·ドライグ·ゴッホ。山の支配者である彼女は、時流の変わり目に気が付きつつあった。


ア・ドライグ・ゴッホ【2】

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「山に勝手に入る人間は日に日に増えとる。追い払うんも正直しんどなってきたわ……このままじゃ、ウチの代で竜の支配は終わりや」
竜の山にはどんな宝石よりも価値がある魔鉱石が眠っている。欲望にまみれた人間たちは、命を落とすことも厭わず、山に入り、竜に退治されていた。


ア・ドライグ・ゴッホ【3】

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「このままじゃアカン。癪やけど、人間との間にルールをつくらな、連中の侵入は止まらへん。だけど、そのためには、アイツを説得せなアカンな」
ア·ドライグ·ゴッホは人間と協定を結ぼうとしていた。だが、もう一人の山の支配者は絶対にそんなことを認めないだろう。説得をするしかない。いや、屈服させるしかない。ア·ドライグ·ゴッホは覚悟を決めた。