ピケル【1】
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「この仕事は一晩で終わらせるよ!いいね!」
ピケルは子分たちに言うなり、仕事にかかった。妖精の国の王女という肩書を持つ彼女だが、その姿はどちらかといえば王女様というより、職人たちの女親方という雰囲気である。
ピケル【2】
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「そこ!口を動かす暇があったら手を動かしな!」
子分たちはおしゃべりが多い。若い妖精だから仕方がないのだが、仕事中にどうしてもおしゃべりをしてしまう。ピケルは事あるたびに叱るのだが、なかなか直るものではなかった。
ピケル【3】
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「ほら、お日様が顔を出し始めちまった!起きちゃうじゃないか!」
ピケルたちの作業場は、人間の家の中である。夜中に職人の家に忍び込み、作りかけの靴や服を眠っている間に完成させておいてやるのだ。手伝っている姿を見られるのは妖精のおきてに反するため、必ず明け方までに仕事をすませている。
ピケル【4】
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「ほら、間に合った。あんたももう少し、腕をあげなよ」
完成した靴を置くと、まだ眠っている人間にそう言い残してピケルたちは去る。いつも手伝ってやるわけにはいかないけれど、頑張っている職人には、こうしてたまに力を貸してやるのだ。
アウロラ【1】
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「アンニュイな女は魅力的だというけれど……」
そう言ったアウロラは、再び自分の映った鏡に視線を向けた。退屈をすると、それに悩む自分の顔を眺め、見とれる。この繰り返しだ。永遠に近い時を生きる女神だけに、やりたいことは大抵やりつくしている。最近の楽しみは、すべてに飽きた自分の顔を眺めることだ。
「アンニュイな女は魅力的だというけれど・・・・・・」
そう言ったアウロラは、再び自分の映った鏡に視線を向けた。退屈をすると、それに悩む自分の顔を眺め、見とれる。この繰り返しだ。永遠に近い時を生きる女神だけに、やりたいことは大抵やりつくしている。最近の楽しみは、すべてに飽きた自分の顔を眺めることだ。
アウロラ【2】
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「ただ眺めるにしても、ひとりよりはふたり……かしら、ね」
鏡の中のアウロラは確かに美しい。だが、隣に誰かがいたら、より絵になるのではないだろうか。恋は刹那の時間に終わってしまうとしても、もっとも素晴らしいその時間を絵にすれば、永遠に思い出を残すことができる。
アウロラ【3】
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「どこかにいないかしら、私の心を震わせてくれるような、ステキな男の子」
人間界に出て、アウロラは恋の相手を探しはじめた。人間は、アウロラから見れば一瞬で歳をとり、死んでしまう刹那の存在だ。だが、それでもいい。一瞬でも素晴らしい恋ができれば。
アウロラ【4】
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「あの子、目がかわいいわね……ああ、お料理も上手そう」
目にとまった男を見つめ、アウロラはつぶやく。どう声をかけ、どう恋に落ちていくかを妄想しているのだ。愛は退屈な日々に大きな楽しみを与えてくれるが、失う瞬間の悲しみも大きい。後悔のない愛を得るために、アウロラは時間をかけて愛を探すのだ。