クピードー【1】
運命にはいくつかの種類がある。星の運行により決められる不可避な運命もあれば、イタズラ好きの天使によって決められる数奇な運命もある。 クピードーが定める気まぐれな運命は、人を幸福にも不幸にもしてしまう。 |
クピードー【2】
クピードーの力は、あまりにも危険だ。運命を操ることは、世界を操ることに他ならないが、彼女は考えなしにその力を行使するのだ。 強大な力を操るものが無邪気であることは、邪悪なものが力をもつのとは違う恐ろしさがある。クピードーの危うさはそこにある。 |
クピードー【3】
ある夜、クピードーは自らの使命について考えた。 人の運命を乱し、操り、改変する。そんな力が、なぜ自分に与えられたのだろうか。 これまで気まぐれに人を幸せにも不幸にもしてきた彼女は月に尋ねる。しかし、美しく輝く月は、彼女に何も答えはしない。 |
クピードー【4】
運命を操る弓矢を持ち、今日もクピードーは空を舞う。小さな精霊たちと共に、人の運命を変えるために。 彼女はこれからも自分が正しいと思うように人の運命に介入するのだろう。だが、それは仕方のないことだ。なぜならば、それが彼女に定められた運命なのだから。 |