セベク【1】
「なんだ!? 水の流れが少々変わってきたようだな?」 川の底で冥想にふけっていた鰐の顔をした男は、水の流れの変化を過敏に感じ取っていた。かつてない、凶事の前触れなのか……。 |
セベク【2】
「こんなにも水が濁りおって……。急がねばなるまいか!?」 透明だった水は、みるみるうちに濁りが増し、苔むすような色合いに染まった。川を守ってきた鰐顔の男が、不安の表情を浮かべる。 |
セベク【3】
「この燃え上がる怒り……悠長にかまえている場合ではないぞ」 これまでいく数年、微動だにしなかった鰐顔の男の手から神々しいオーラが放たれる。目は血色に染まり、反逆の刻を静かに待つ。 |
セベク【4】
「穢れた大地は、神罰の水で清めてやろう!」 鰐の顔を持ったセベクは、水の中から世界の均衡を保ってきた。それが崩れてきたことを悟った彼は、自らの力を解放し、神の力で大地を無に帰す。 |