ダビデ【1】
「慌てるな。まだ動く刻ではない……」 色白で長髪の優男が、じっと目を閉じ戦いの行方を予見する。心配そうに見守る侍女には目もくれず、勝利を確信したかのように笑みを浮かべた。 |
ダビデ【2】
「そうだ、今はじっと耐えるのが得策であろう」 宮廷の中の一室に、長髪の優男はいた。大鳥の羽根を使い、未来を見通す特殊な能力を持つ。彼の参謀としての役割は非常に大きい。 |
ダビデ【3】
「ああ、見えるぞ。我々の勝機は、確実に迫っている」 目を閉じた優男の脳裏の中が、見通しのきかない暗闇から一転し、一筋の光が差し込む。その輝きは、希望なのか、それとも……。 |
ダビデ【4】
「我々の勝利は、もはや手中にある。ここで高みの見物といこう」 ダビデが加勢した軍の勝利は目前にある。預言者としての地位を確立した彼は、侍女をはべらせ勝利の美酒に酔っていた。 |