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神属性/HR/バックス

Last-modified: 2018-03-10 (土) 19:57:29

バックス【１】

「さぁ、今年もいいワインができあがったぞ」
酒樽を持った陽気な神が高らかに宣言する。酒造りの神バックスの元には、毎年たくさんのワインが奉納される。今年は特に当たり年らしく、バックスは満足げだ。収穫の宴はまだ続く。

「ワインってのはワガママでいけねぇ。すぐにヘソを曲げて味を変えちまう。ウチの嫁さんそっくりだ」
そう言って豪快に笑うバックスは他の神々にワインをふるまう。楽しい宴はいつまでも続く。

「さすがに飲みすぎちまったかな……」
東の空から太陽が昇り始める。誰もが酔いつぶれた神殿に、黒い影が素早く走る。神酒の匂いを嗅ぎつけたならず者たちが、今年最高のワインに手を伸ばす。

「俺の酒に手を出すとはいい度胸だ！」
異変に気付いたバックスは烈火のごとく怒りだす。あれほど酒を飲んでいたはずなのに、一瞬にしてならず者たちを縛り上げる。酔えば酔うほど強くなるのが酒造の神。バックスの宴会を邪魔することほど愚かなことはない。