ヒポリュテー【1】
「止まれ? この森に足を踏み入れるな!」 大陸の南には、女性だけの部族がある。ヒポリュテーはそこの女王であり、また部族一の戦士でもある。 |
ヒポリュテー【2】
「女だからと侮るな。男に後れを取る私ではない」 不敵な笑みを浮かべてヒポリュテーは剣を構えた。その構えには、僅かな隙も見出すことが出来ない。 |
ヒポリュテー【3】
「我々は男の力は借ん。女だけで生きてきたのだ!」 ヒポリュテーは敵の喉元に剣を突きつけた。彼女が男と手を組んだことはこれまで一度もない。 |
ヒポリュテー【4】
「……いいだろう。力を貸す。だが、勘違いするなよ」 ヒポリュテーは少し顔を赤らめ剣を収めた。男を利用するだけだ。心の中でそう自分に言い聞かせながら。 |