雷神【1】
「どれ、そろそろ一働きするかのう」 雷神が重い腰を上げると、それだけで稲光が煌めく。やがて背中の太鼓から、ゴロゴロという重い音が響き、雷雨となった。 |
雷神【2】
「そう怖がらんでもよい。取って食ったりはせんよ」 恐ろしい顔をしているが、雷神は温厚な神だ。人を見てもみだりに殺したりはせず、その雷雨も多くの作物にとって有用である。 |
雷神【3】
「自然に対しては謙虚にな。でないと簡単に死ぬぞ」 雷神の起こす雨は恵みをもたらすが、同時に洪水や落雷などの災害も引き起こす。それは人間への警告でもあるのだ。 |
雷神【4】
「……いくらワシでも、怒ることはあるぞい」 自らの縄張りを荒らされた時は、普段とは別人のように気性が荒くなる。その雷は神の体をも討ち滅ぼす力がある。 |