風神【1】
「我が名は風神。人間ごときが触れて良い存在ではない」 風神の姿は、雲を突く大男。肩に抱えた袋の口を開いた。湿った風が吹き出し、空を雨雲が覆った。 |
風神【2】
「雨が欲しいのか、ならば我に供物を捧げよ」 風神は風と雲を司る神である。時には人間の懇願に応じて、その袋から湿った風を送り込み、雨の恵をもたらすこともある。 |
風神【3】
「神の地を侵すとは、不遜にも程があるぞ、小さき人間よ」 風神が守る土地に誰かが踏み入れた時、風神はその素顔を見せる。恐ろしい風の力で全てを吹き飛ばす。 |
風神【4】
「風神に刃向かってくるとは、この我も甘く見られたものよ」 肩の袋を担ぎ、風神は高らかに笑った。彼と対等の力を持った相手との戦いは、久しぶりだ。 |