【十刃】アドナイ・メレク【1】
「待ちに待った闘技会だ! 腕がなるぜ!」 はりきるアドナイ・メレクを遠巻きに眺め、くすくすと笑っている神々がいる。今日の闘技会は神々にとってお遊びのようなもの。本気で挑むものなどいないのだ。アドナイ・メレクを除けば。 |
【十刃】アドナイ・メレク【2】
「名のある戦神様との戦いを楽しみにしていたのに、がっかりさせてくれたな!」 試合が始まると、アドナイ・メレクは相手が本気でないことに気づき、怒りをあらわにする。神々の頂点を決める大会などというのは、ただのお題目。アドナイ・メレクだけが本気なのだ。 |
【十刃】アドナイ・メレク【3】
「おお、少しはやるようになったじゃないか、うれしいぜ」 やがてアドナイ・メレクの本気に促され、ほかの神々も血が騒ぎだしたようだ。仲間の様子を見つつであるが、徐々に本気を出し始める。 |
【十刃】アドナイ・メレク【4】
「負けちまったが、あんたらと本気でやれたことは勝つことよりうれしいんだ」 いつしか大会は、お題目ではなく本気で頂点を競う大会となっていった。名のある神々が本気を出せば、アドナイ・メレクが頂点に立つことは難しい。それがわかっていても彼女は熱気をほとばしらせ、皆の底力を引き出させようと戦い続ける。 |