【十刃】ダアト【1】
「なぜだ、あらゆる知識を吸収したが、世界の乱れは少しも収まらない」 ダアトは天上の神さえも凌ぐ、知識の探究者だった。だが、それだけに人間の有限性に絶望していた。そんな彼女のもとには志を共にする9人のセフィラ達が存在していた。 |
【十刃】ダアト【2】
「今からお前達は世界に散り、人間のあらゆる業を滅してくるのだ」 9人のセフィラたちは彼女の意を受け、各地に飛び立った。生命の樹の深淵に位置するダアトはセフィラの完全体とも称される。 |
【十刃】ダアト【3】
「彼らは欲しい物はすべて手に入れた、だが、同時にすべてを失った」 この世のすべてを見通したダアトの言葉通り、人々はあらゆる喜怒哀楽を味わった。本来、手に入るはずのないものを手に入れ、己を見失った人間たちの堕落はダアトにこの世界の滅亡を決意させるにふさわしい絶望を与えた。 |
【十刃】ダアト【4】
「だが、これこそが生命の性なのかもしれぬな」 彼女がその気になれば容易く世界を滅ぼすことも可能だったが、彼女はその手を止めた。人々が「神の真意」に気付く日がくるかもしれぬ。それがいつになるかはわからない。だが、ダアトはその微かな可能性に賭け、今しばし人々を見守ることを決意した。 |