【十刃】ヨッド【1】
「この軍勢は、私にまかせろ!」 叫ぶと同時にヨッドは剣を振るった。地鳴りとともに大きな爆音がとどろいた。爆煙がおさまった後、さきほどまで敵の大軍がいた場所には巨大な氷の塊が現れ、大軍を生きたまま凍らせてしまったのだった。 |
【十刃】ヨッド【2】
「すまん……少し、でしゃばりすぎたか」 戦争のたびにヨッドが敵を全滅させてしまうので、自分たちの立つ瀬がない……と、他の【十刃】達から小言を言われた。己の信念のためにやったことだとはいえ、さすがのヨッドも気まずさを覚える。 |
【十刃】ヨッド【3】
「今日は見学だ、目で学ぶぞ」 次の戦争では後方に下がり、仲間たちの戦いぶりを見学することにしたヨッド。味方が手こずるような場合だけ、手を貸すと約束したのだが、どうにも信用された様子がない。約束を守るために剣を握るのを我慢する。 |
【十刃】ヨッド【4】
「……すまん、我慢しきれなかった」 案の定、五分と耐えられずに剣を取り、ひとりで戦を終わらせてしまったヨッド。あまりに喜々として戦っていたためか、仲間たちは怒りを通り越して、完全にあきれてしまっている。この絶対的な強さこそが、ヨッドの魅力であり、同時に欠点であるといえるだろう。 |