ハマリエル【1】
「一人じゃどうしようもない……数が多すぎるわ」 戦争を終わらせるためこの星へ来たハマリエルだったが、一人の力に限界を感じる。両軍の軍勢は互いの仲間を殺された怒りに狂い、ますます憎悪を増すばかりだ。 |
ハマリエル【2】
「仲間を……、戦いを終わらせたいと願う仲間を、集めないと」 このままでは、どちらかが完全に滅びるまで戦いが続くだろう。そんな不毛な結果をみるために、この星に来たのではない。ハマリエルは意を決し、剣を収めた。 |
ハマリエル【3】
「この戦場にだって、きっといるはずよ。この戦いに疑問を感じる人たちが」 敵軍への憎悪に正気を失ったものたちばかりではないはずだ。戦火に包まれた星の大地を、ハマリエルは歩き始める。人の心を信じて。 |
ハマリエル【4】
「あなたたちが戦いに倒れたら、この世界の子供たちはどうなるの?」 耳を貸してくれたのは、幼い子を持つ父親や母親たちだった。天使がいかに神の言葉を伝えようと、怒り狂った人々には通じない。だが、子供のあどけない声は彼らの心を震わせる。ハマリエルは幼い子供たちに、ほのかな希望の光を見いだした。 |