スプンタ・アルマティ【1】
「この世界は素晴らしい……」 『神聖なる敬虔』『心に従う者』ーースプンタ・アルマティを表す言葉である。彼女は善を司る神であるが、人々の心に介入して善に目覚めさせるようなことは決してしない。彼女はただ、人々を信じ見守ることに徹している。 |
スプンタ・アルマティ【2】
「たしかに……争いや不正はこの世から消えません。しかし善もまた、この世からは消えていない」 スプンタ・アルマティは、偏に人類の良心を信じている。赤子がまっさらな状態で生まれてくるように、人類は悪意と共に生まれてくるのではない。ならばと、彼女は信じる。真に正しいことを。 |
スプンタ・アルマティ【3】
「『悪』という概念がある。それは『善』という概念があるからこそ、成り立つのです」 人々はスプンタ・アルマティに問う。善なんてものは世界のほんの一握りで、ちっぽけなものではないのか。女神は微笑む。善は消えない。そして、たった一握りであろうとも強く尊いもの、それが人に宿る善なのだと。 |
スプンタ・アルマティ【4】
「この世界に『善』がある限り……わたくしは信じ続けます。あなたがた、人類を」 『悪』の裏が『善』ならば、それらは切っては切り離せぬ存在。であるからこそ、スプンタ・アルマティは「悪に打ち克つ」という発言をしない。彼女はただーー見守るのだ。人々に宿る善の心を。 |