ドルドナ【1】
「母なる太陽の炎に抱かれ、魂ごと燃え尽きなさい」 魔獣たちの大反乱が起きてから数か月で、神々の住む天空の宮殿の半分以上が陥落した。多くの天使たちが敗走を始める中、太陽を司るドルドナは、最前線に立ち続けていた。 |
ドルドナ【2】
「敵の数が多すぎますね。しかし、ここで私が引けば戦線は大きく後退してしまう」 無数の光の矢が獰猛な魔獣たちを串刺しにする。しかし、すぐに次の魔獣が背後から現れる。何日も戦い続けているドルドナにも、限界が訪れようとしていた。 |
ドルドナ【3】
「くッ……これまでですか」 日が沈み、夜が訪れる。太陽を司るドルドナの力が大きく削られてしまう時間帯だ。戦いが始まってから、これまで何度も夜を迎えてきたが、今晩がドルドナにとって最後の夜となるだろう。疲労の限界を迎えたドルドナは、もはや剣を構えることが精いっぱいなのだ。 |
ドルドナ【4】
「月が力を……そうか、私はまだ戦える」 太陽の光を反射する月。その明かりの力をドルドナは知らなかった。しかし、満身創痍の彼女に力を与えたのは月光だった。再び剣を握りしめると彼女は覚悟を決める。その威圧に魔獣たちはおののいた。ドルドナの剣が、宵闇と魔獣を切り裂く。 |