エンケラドス【1】
「こちらに来るのも久しぶりじゃのう。老人を働かせおって」 すでに人々から忘れられた神。彼もまた、来る悪魔との戦いに備えて呼び出されたのである。 |
エンケラドス【2】
「何だその口のきき方は。少しは年上を敬わんか、この若造が」 神を束ねる主神ですら、老神は子ども扱いだ。それほど永く、生きていると言うことだろう。 |
エンケラドス【3】
「まだまだ、剣の腕は鈍っておらんようだな」 老神の振るった剣は、固い鎧をバターのようにたやすく切り裂いた。それほど速い剣戟ではなかったのに、恐ろしい威力である。 |
エンケラドス【4】
「まさか、この姿を見せることになるとはな」 老人の真の姿は、天をつくような巨神である。その姿を見た者は、畏敬の念に駆られてひれ伏さずにはいられないだろう。 |