【艶神】アフロディーテ【1】
「無力な祈りを続けるのは……滑稽よ」 人々が捧げる祈りは、若きアフロディーテの心には微塵も響かない。あてなき恵みを求める者は、ただ立ち尽くすしかなかった。 |
【艶神】アフロディーテ【2】
「女神はねぇ、気まぐれなのよ。そこ、わかってる?」 かつては、女神への祈りは必ず結実し、愛が溢れる奉仕を受けられるのが当然であった。混沌が支配するこの世界、かつての常識は通用しそうにない。 |
【艶神】アフロディーテ【3】
「誓いの言葉とか意味ないわ。私を楽しませてくれるか…ただそれだけ」 人々からの哀願と困惑の声に、アフロディーテは嘆息するように答える。彼女の快楽と美の追求に応えられる者のみが寵愛を受けられるのだ。 |
【艶神】アフロディーテ【4】
「低級な輩にしては立派なモノじゃない…こっちに来てもいいのよ?」 ある天使がアフロディーテと体験した〝それ〟は彼女の美と力をさらに増した。この世界で並ぶものなき美神は、今や快楽と力に忠実な堕神と呼んで差し支えない。 |