エイレイテュイア【1】
「この煌びやかな糸……うん、素敵な運命が感じられるわ」 エイレイテュイアは天から垂れ下がる艶やかな糸を手に取る。彼女だけが見ることができる不思議な糸は、人間の運命を具現化したもの。 |
エイレイテュイア【2】
「あら、こっちの糸は少し輝きを失っているわね……」 いくつもの糸を一つ一つ手にし、その状態を確認するのはエイレイテュイアの日課。光を失った糸を優しく労わるようになで、生命の息吹を流し込む。 |
エイレイテュイア【3】
「今にも切れてしまいそう……。でも、まだだめよ……」 運命の糸の繊維が細くなったのは、その糸とつながった人間の生命が危険に瀕していることの表れ。少しでも長くとどまるよう、エイレイテュイアが糸を縒る。 |
エイレイテュイア【4】
「運命の糸を紡いでいくのが私に与えられた役目。人間の生き死には、この糸の状態を見ればわかるの……」 “紡ぐもの”と称されるエイレイテュイアは、運命の糸に触れることを許された唯一の女神である。 |