ガデルエル【1】
「ふふふ。今日も天界は平和ねぇ」 穏やかな日に照らされて、ガデルエルは軽やかに空中散歩を楽しむ。天界で最も平和とされる花畑で、彼女は今日も花と会話をする。すぐそこにまで迫っている危機に気付くこともなく。 |
ガデルエル【2】
「花の様子がおかしいわ……まるで何かに怯えているみたい」 小さな変化は大きな変化の予兆となる。花の表情に違和感を覚えたガデルエルは、近く大きな戦いがあることを悟った。 「争いは好きじゃないけど、この花畑を好きにさせるわけにはいかないわね」 |
ガデルエル【3】
「恐ろしいドラゴンが近づいているのね。分かった、あなたたちは花びらを閉じて隠れていて」 花に優しく語りかけ、ガデルエルは覚悟を決めた。避けられない戦いはすぐ近くにまで迫っている。たとえ、相手が凶悪で知られるドラゴンだったとしても、彼女には守らねばならぬものがあった。 |
ガデルエル【4】
「花のために命を懸けるなんて、おかしいと思うかしら?でも、あの子たちは私の大切な友達なの」 ドラゴンの炎が天界を焼く。しかし、ガデルエルの守護陣はその炎を防ぎ切り、そのままドラゴンへと押し返した。自らの炎に焼かれた邪竜は断末魔の叫びと共に墜落し、天界には再び平穏が戻った。 ガデルエルは英雄となったが、彼女の日課は相変わらず花との会話だ。 |