サートゥルヌス【1】
豊かな実りに囲まれた宮殿にサートゥルヌスは住んでいる。むせぶほど芳醇な果物の香りは宮殿の主人からの歓待であり、訪問客は行儀よく茂った木の執事に案内される。 繁栄と豊穣のすべてがサートルヌスの宮殿に詰まっているのだ。 |
サートゥルヌス【2】
美しく光る金銀の装飾は見せかけの豊かさでしかない。真の豊かさは実りの中にのみ見出される。 繁栄と豊穣を司るサートゥルヌスはその言葉を体現している。彼が育てたあらゆる植物は大いに実り、食卓を豊かにする。だが、植物たちの持つ力はそれだけではない。 |
サートゥルヌス【3】
真の豊かさとは恵みの享受だけでは得られない。自由と尊厳を守るために戦うことも、豊かさには必要なのだ。 サートゥルヌスが率いる樹人の軍隊に慈悲はない。敵を絡みつき、締め上げ、引きちぎる。敵の血を吸った樹人は、さらに大きな力を得るだろう。 |
サートゥルヌス【4】
サートゥルヌスの戦力は、率いる樹人だけではない。『収穫』が彼の本質であり、力の根源である。 左手の輝く光に照らされたあらゆる生命は、大いなる繁栄の恩恵をうける。だが、その繁栄は右手に持たれた鎌によって刈り取られる。それが実りだったとしても、魂だったとしても、分け隔てなく彼は『収穫』する。 |