テルプシコラー【1】
「さあ踊りましょう? 今宵は朝まで踊り明かしましょう!」 テルプシコラーは手に持った竪琴をかき鳴らし、歌いながら踊る。その曲は、なぜか聞く者を幸福な気持ちにした。 |
テルプシコラー【2】
「あなたも一緒にどうですか? アタシと一緒に踊りましょう」 テルプシコラーを中心に、踊りに興じる民衆の輪はどんどん大きくなる。踊りは日が昇るまで続いた。 |
テルプシコラー【3】
「……そうですか。ここにはもう踊れる人はいないのですね」 戦で滅び、誰もいない村でテルシコプラーは悲しげに竪琴を弾いた。その音色はいつもと違い哀しみを帯びていた。 |
テルプシコラー【4】
「おめでとう。この子がいつの日か、雄々しく巣立ちますように」 生まれた赤ん坊に歌を捧げるテルシコプラー。この男の子が、いずれ世界を背負うことになるとは未だ誰も知らない。 |