毘羯羅大将【1】
「人間たちが、どれだけ愚かなのか……ここで見届けるとするわ」 神に仕えるものだけが乗ることを許された小高い岩山の上から、毘羯羅大将は人間たちの所業に睨みをきかせる。 |
毘羯羅大将【2】
「人間だけでなく、あらゆる種族が取り返しのつかないことを……嘆かわしいわ」 毘羯羅大将は黄金色の三鈷杵を手に、この地上で起きている争いの元凶を探る。現実は、あまりにも残酷だ。 |
毘羯羅大将【3】
「多くの血が流れ、魂が還っていく……。これを見過ごせというの?」 しばし傍観していた毘羯羅大将だったが、内なる怒りが頂点に達する。抑えられぬ憤りが、彼女をついに突き動かす。 |
毘羯羅大将【4】
「悪しき戦いの元凶は、私がこの金剛杵で打ち砕いてくあげるわ」 悪戯な笑みを浮かべ、黄金色の三鈷杵を振りかざす毘羯羅大将。こうして本人も気づかぬうち、戦いに興じる者がまた一人……。 |