【夏祭り】巫女狐カサマイナリ【1】
「ん~~これがイイかな~」 神社への用が済み海岸線を歩いていると、さざ波が打ち寄せる浜辺で少女が楽しげに何かを探している。気がつと立ち止まり少女を目で追っていた。 |
【夏祭り】巫女狐カサマイナリ【2】
「お兄さんも、キレイな貝殻を探しにきたの?」 少女はいつの間にか、距離を縮め話かけてきていた。キミを見ていたとは言えず、小さく頷くだけしかできなかった。 |
【夏祭り】巫女狐カサマイナリ【3】
「じゃぁ~一緒に探そ~!」 少女に手を引かれ浜辺を歩く。夏の日差しにキラキラと光る貝殻を拾っては見せ合い、少女の笑顔が向けられる度に胸の鼓動が早くなるのを感じる。 |
【夏祭り】巫女狐カサマイナリ【4】
「お兄さんは優しい人間だね・・・・・・これはお礼だよ!」 少女はそう言うと、そっと顔を近づけてくる恥ずかしさのあまり目を閉じてしまう。潮風が優しく頬を撫でる感触にゆっくりと目を開けると少女の姿はなく、一匹の狐が走り去っていく姿が見えた。 |